樹木希林が遺した「初企画」映画で、どうしても果たしたかったこと

    「皆で海外の映画祭に行けるように」舞台挨拶で制作陣が明かした、樹木希林の覚悟と決意。

    故・樹木希林さんの初企画作品「エリカ38」が、この夏公開される。

    嘘の投資話で大金を騙し取り、38歳のエリコと名乗りタイに逃亡した山辺節子受刑者の事件がモデルとなっている。

    ©吉本興業

    4月20日(土)沖縄国際映画祭の舞台挨拶で、制作陣がその背景を語った。

    主人公エリカは、樹木希林さんと親交が深かった浅田美代子さんが演じる。2人で一緒にワイドショーを見ていた時に、作品のモデルとなった事件を扱っていた。その時の会話が、今作のきっかけだったという。

    「希林さんに『美代ちゃんはこういうのをやればいいのよ』って言っていたんです。

    Shunsuke Mori / BuzzFeed

    私のイメージではないので役が来ないでしょうって言って、その時は笑って終わったんですが、ある日突然電話がかかってきて『プロデューサーは奥山さん、監督は日比監督。全部決めてきたから、大変だけど頑張るのよ』って。

    水面下で動いてくれていたんだと知って感動して、すごく嬉しかったです。

    病床にいる時も、今回のような映画祭に一緒に行こうねっていつも言ってくれていました。叶いませんでしたが、今日も絶対この場に一緒に来てくれてると思います」

    奥山和由プロデューサーも、樹木希林さんの初「企画」への意気込みを印象深く覚えているという。

    Shunsuke Mori / BuzzFeed

    「希林さんに初めて企画についてお話した時、本当に希林さんの決心というものがはっきり見える感じでした。

    高層ビルのバーだったものですから、夕日を背景にしていて、スター・ウォーズのヨーダみたいな迫力で『あなたがやるしかないのよ』っていう感じでしたね(笑)。映画のクオリティ以前に、希林さんの決心・ハートが貫いている映画です」

    「制作時は打ち合わせをするときも体調が最悪で、階段も這って上がるような状況でした。そんな中でも打ち合わせをしてくれていました」

    また、日比遊一監督も、樹木希林さんの覚悟を感じるエピソードを明かした。

    ©吉本興業

    「希林さんに『脚本もないしお金もないわよ』って言われて、でもおっしゃっていたのが『私は不動産が趣味で、1軒くらい売っても構わないと思っている』と。

    そういう覚悟はお持ちでした」

    Shunsuke Mori / BuzzFeed

    さらに「ぜひ皆で海外の映画祭に行けるように」という希林さんの思いを遺した作品だと振り返る。

    「希林さん自身もカンヌとかニューヨーク、モントリオールなど色んな所に行ってらっしゃったので、娘のように可愛がっていた浅田さんや次の世代にも、そういう経験を与えたいと思っていたようです」

    Shunsuke Mori / BuzzFeed

    「エリカ38」は北京国際映画祭に続き、この度沖縄国際映画祭でも上映された。残念ながらレッド・カーペットに樹木希林さんの姿は無いが、遺した想いは果たされている。

    一般上映は6月7日(金)から、TOHOシネマズシャンテ他、全国で始まる予定だ。

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